相続手続~明るい表情へ~

明るい表情へ

ある日の夕方、以前私の事務所で相続手続を行った事のある方から電話がありました。

知り合いのAさんが相続の件で非常に悩んでおられるので、すぐにでもAさんと会ってほしいとのことでした。早速その日の夜、Aさんにお会いする事にしました。

Aさんは非常に疲れておられるように見えました。相続の話が上手くすすんでいないとのことでした。

Aさんは遺産分割の内容に納得がいかないのですが、兄弟や親戚からは「他の皆はこの分け方で納得しているのに、どうしてお前だけが勝手なことを言うのか」と責められているとのことでした。Aさんも「自分だけが聞き分けが悪いのかもしれない」と自分自身を責め始めていました。

よくよく話を聞いてみますと、Aさんが納得いかないのはもっともなようにも感じました。

Aさんは相続についてあまりご理解なさっていなかったようでしたので、まずは相続手続の一般についてお話をすることにしました。そして最後に私は「納得がいかないことをはっきりと伝えればきっと分かってもらえると思いますよ。」と付け加えました。

私の話を聞いて、Aさんは「そんなに多くを分けてもらおうとは思っていませんが、最近は何か主張することが悪いことのように思えてきて、少し気が滅入っていました。」「でも、私の言っていることが、わがままでも何でもないことだと分かりましたので、明日にでも兄弟や親戚にもう一度話すことにします。」とすっきりとした表情で話されました。

2時間ほどお話をしたと思いますが、私が帰るときに玄関まで見送ってくれたAさんの明るい表情が印象的でした。

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